ウェルネス用語
ウィンタリングとは?人生の「冬」をやさしく過ごす考え方
2026-06-23
朝、目覚まし時計が鳴っても体が起き上がらない。理由もなく涙が出る。頑張りたい気持ちはあるのに、心も体もついてきてくれない——そんな「人生の冬」のような時期は、誰にでも巡ってきます。
そんなときにそっと寄り添ってくれるのが、「ウィンタリング」という考え方です。
ウィンタリングってどういうこと?
ウィンタリング(wintering)は、もともと英語で「冬を越すこと」を意味する言葉です。イギリスの作家キャサリン・メイ(Katherine May)が著書の中で、人生のつらく静かな時期を自然の「冬」になぞらえて語ったことで、広く知られるようになりました。
体調を崩したり、仕事や人間関係でつまずいたり——。心が冬を迎えるような時期は、無理に春を呼び込もうとせず、立ち止まって休むことが大切だという考え方です。木々が葉を落として静かに春を待つように、私たちにも、活動をひかえて力をたくわえる季節がある。ウィンタリングは、そんな「立ち止まる時間」を否定せず、めぐる季節のひとつとして受けとめる見方をくれます。
なぜ「早く元通りに」が逆効果になりうるのか
つらい時期に陥ると、多くの人は「早く元気な自分に戻らなきゃ」と焦ってしまいます。けれどウィンタリングの考え方では、その焦り自体が冬を長引かせる原因になりうるとされています。冬の木に「なぜまだ葉が生えないんだ」と急かしても意味がないように、心の冬にも、めぐるための時間が必要だからです。
「今は仕方ない時期なんだ」と一度認めてしまうこと。それは諦めることとは違い、次の季節に向けて力をたくわえるための、必要なプロセスだと捉え直すことができます。
こんな季節の日に
年度の変わり目で疲れが重なったとき。大切な人間関係が変化したとき。あるいは、はっきりした理由もなく気分が沈む、日照時間の短い時期。そういう日は、無理に「いつも通り」を演じようとせず、ウィンタリングの視点を思い出してみてください。
実践のヒント
- 休むことを自分に許す 「今は冬なんだ」とそっと認めるだけで、立ち止まる自分を責めずにすみます。
- 小さなあたたかさを大切にする 温かい飲みもの、毛布、好きな音楽。冬を心地よく過ごす工夫を、暮らしに散りばめてみましょう。
- 予定を減らすことを許可する 冬は活動量を落とす季節。すべてをこなそうとせず、優先順位を絞ってみるのも一つの方法です。
春は必ずめぐるという視点
冬がずっと続かないように、つらい時期にも終わりがあります。この感覚を心の片隅に置いておくだけで、今の重さが少し軽くなることがあります。つらい時期をなかったことにするのではなく、ひとつの季節として受けとめる。ウィンタリングは、自分にやさしくする時間の過ごし方を教えてくれます。
「怠けている」との違い
つらい時期に何もできずにいると、「怠けているだけでは」と自分を責めたくなることがあります。ですがウィンタリングが指しているのは、明確な理由なく動かないことではなく、心身が消耗したときに自然と起こる回復のプロセスです。木が冬に葉を落とすのは、次の季節に向けて力を蓄えるためであって、怠けているからではありません。同じように、今の自分に必要なのは責めることではなく、回復にかかる時間を認めることなのかもしれません。
関連用語
※本記事は情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスではありません。