「支える側」が疲れたら - ケアする人のためのセルフケア
「大丈夫?」と聞かれたことは、いつが最後だろう
高齢の親の通院に付き添う。落ち込んでいる友人の話をじっくり聞く。家族の心配ごとを引き受けて、みんなが安心できるように気を配る。
あなたはいつも「支える側」にいる人かもしれません。
でも、ふとした瞬間に気づくのです。自分のことを気にかけてくれる人が、いないということに。
「支える側」の疲れは、外からは見えにくい。だからこそ、自分で気づいてあげることが大切です。
「支える側」が抱えやすい疲れのサイン
誰かを支え続けていると、知らず知らずのうちに心と体にサインが出てきます。
- 相手のことが心配で、自分のことが後回しになっている
- 「私がやらないと」という気持ちが常にある
- 休みの日でも、どこか気が休まらない
- 誰かに弱音を吐くことに罪悪感がある
- 以前は楽しめていたことに気持ちが向かない
- 些細なことで涙が出たり、イライラしたりする
一つでも当てはまるなら、あなたの心は「少し休ませて」と訴えているのかもしれません。
「自分のことは後でいい」が一番危ない
支える側の人は、優しい人が多い。だからこそ「自分のことは後回しでいい」と思いがちです。
でも、自分が倒れてしまったら、支えたい人のそばにいられなくなります。飛行機の酸素マスクと同じで、まず自分につけてから、隣の人を助ける。それは自分勝手なことではなく、支え続けるために必要なことです。
支える側のためのセルフケア
1. 「今日の自分」に声をかける時間をつくる
朝の支度をしながら、寝る前のほんの数分でもいい。「今日、私はどんな気持ちだろう」と自分に問いかけてみてください。
相手の体調や気持ちばかり気にしていると、自分の状態に鈍くなります。1日1回、自分の心に耳を傾ける習慣が、小さな防波堤になってくれます。セルフコンパッションの考え方を取り入れると、自分への声かけがぐっと楽になります。
2. 「何もしない時間」を罪悪感なく過ごす
支える側の人にとって、何もしない時間は怖いもの。「あの人は大丈夫かな」「やるべきことがあるのに」と落ち着かなくなりがちです。
でも、15分でいいから、ただぼーっとする時間を自分に許してあげてください。窓の外を眺める。温かいお茶をゆっくり飲む。それだけで、張り詰めた気持ちが少しゆるみます。ひと休みすることの大切さについて書いた記事もぜひ読んでみてください。
3. 体の緊張をほどく
ケアする日々が続くと、肩や背中にぎゅっと力が入ったままになっていることがあります。
お風呂に浸かりながら、ゆっくりと深呼吸を3回してみてください。鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐く。体がじんわりとゆるんでいく感覚を味わうだけで、心の緊張もほどけていきます。
4. 気持ちを言葉にして「外に出す」
「疲れた」「しんどい」「もう無理かも」。そう感じている自分を否定しなくていい。
ノートに書き出すだけでもいいし、信頼できる人にLINEで一言伝えるだけでもいい。気持ちを自分の中に閉じ込め続けないことが大切です。一人の時間を使って内省する方法も、気持ちの整理に役立ちます。
5. 「支えてくれる場所」を持っておく
一人で抱え込まないでください。地域の相談窓口、同じ立場の人が集まるコミュニティ、カウンセリング。支える側の人が頼れる場所は、思っている以上にたくさんあります。
「助けを求めること」は弱さではありません。支え続けるための、賢い選択です。
支えることに疲れた自分を、責めないで
「もっとちゃんとやらなきゃ」「こんなことで疲れるなんて」と自分を責めてしまうこと、ありませんか。
支える側の人は、頑張りすぎていることに気づきにくい。だから、「疲れた」と感じられたこと自体が、実はとても大切な一歩なのです。
心が疲れたときの過ごし方や、疲れが抜けないと感じるときのヒントもあわせて参考にしてみてください。
あなたのケアは、あなたにしかできない
誰かを大切に思う気持ちは、とても尊いものです。でも、その気持ちを長く持ち続けるためには、自分自身を満たしてあげることが欠かせません。
今日は、あなた自身のために何か一つだけ、小さなことをしてあげてください。好きな飲み物を買う。少し早く寝る。「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかける。
支える側のあなたにも、ケアされる時間が必要です。
もっと知りたい方へ
※本記事は情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスではありません。つらい状態が続く場合は、医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。