『SBNRエコノミー』要約 - 博報堂が見つけた新しい消費のカタチ
「日本人の43%がSBNR」という衝撃
2025年3月、博報堂から一冊の本が出版されました。『SBNRエコノミー ── 宗教に頼らないスピリチュアルな人々が生み出す新しい経済圏』。
この本が提示するデータは衝撃的です。日本人の約43%がSBNR(Spiritual But Not Religious=特定の宗教に属さないが、精神的な何かを大切にしている人)に該当するというのです。20代に限ると48%。
つまり、あなたの周りにいる約半数の人が、宗教には属していないけれど「心の豊かさ」や「精神的な何か」を求めている。この本は、そうした人々の存在と、彼らが動かし始めている経済について書かれています。SBNRとは何かをまず知りたい方はそちらもどうぞ。
この本が伝えていること
SBNR層は「見えない多数派」
日本では「無宗教です」と答える人が多いけれど、初詣には行くし、パワースポット巡りもする。ヨガや瞑想を取り入れている人もいる。
この本は、そうした人々を「無宗教」とひとくくりにするのではなく、**「宗教には属さないが、スピリチュアルな感性を持っている人たち」**として捉え直しています。
SBNRが動かす市場
本書によると、SBNR層が関心を持つ分野は多岐にわたります。
- ウェルネス(ヨガ、瞑想、サウナ、森林浴)
- サステナビリティ(エシカル消費、自然との共生)
- 自己探求(ジャーナリング、リトリート、心理学)
- 体験型観光(寺社巡り、禅体験、自然ツーリズム)
これらの市場を「スピリチュアル消費」としてではなく、SBNR層の生き方から生まれる新しい経済圏として分析しているのがこの本の特徴です。
日本はSBNR先進国
面白いのは、日本がSBNRの「先進国」だという視点です。
八百万の神を受け入れる文化、「もったいない」の精神、茶道や花道に見る日常の中の精神性。日本人は昔から、特定の宗教に頼らずに精神的な豊かさを暮らしの中に見出してきた。
本書はこの日本的な感性が、世界のSBNRトレンドとつながっていることを示しています。
読んでみて感じること
この本を読むと、「自分もSBNRだったのか」と気づく人が多いのではないでしょうか。
特定の宗教は信じていないけど、神社に行くと気持ちが整う。自然の中にいると何かに包まれている感じがする。瞑想やヨガを始めてみたら、心が軽くなった。
そうした感覚を持っている人は、すでにSBNR的な生き方をしています。
こんな人におすすめ
- 「自分は何を信じているんだろう」と考えたことがある人
- スピリチュアルに興味はあるけど「怪しい」と感じている人
- マーケティングや消費トレンドに関心がある人
- ウェルネスやサステナビリティに関わる仕事をしている人
ビジネス書としても読めますが、「自分の生き方を見つめ直すきっかけ」としても価値のある一冊です。さらに深めたい方はSBNRがわかるおすすめ本7選もあわせてチェックしてみてください。
SBNRは「ブーム」ではなく「静かな変化」
この本を読んで一番印象に残るのは、SBNRが一時的なブームではなく、社会の深いところで起きている静かな変化だということ。
宗教離れが進む中で、人々は「精神的な何か」を求めることをやめたわけではない。ただ、その求め方が変わった。組織や教義に頼るのではなく、自分自身の感覚を頼りに、日常の中にスピリチュアルな豊かさを見出していく。
それは、とても日本的な変化なのかもしれません。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスではありません。書籍の内容については出版元の情報をご確認ください。